こんにちは。矢田の丘相談室カウンセラーの田中です。プロフィールはこちら。
今回は根本的にアンガーマネジメントを行う、後編です。
アンガーマネジメント全体を知りたい方は、ぜひ前編も併せてお読みください。
コアビリーフと怒りの引き金は、あなたの人生に由来している
アンガーマネジメントを根本的に行っていくには、
コアビリーフ(怒りを増幅させる、自分が正しいという思い込み)と、
怒りの引き金(怒りを焚き付ける、考え方の癖≒スキーマ)を
修正することで、怒りにくい習慣を形成する必要があります。
前編の事例で言えば、
「いつもできない、いつも私の手間が増える」 といった
マネージャーに対するレッテル貼りは
怒りの引き金に相当するでしょう。
ほかにも
・尊重されていない。どうでもいいと思われている。
・ありがとうがない。やって当然だと思われている。
・誰も認めてくれない。
・私だけ割をくっている。
このような考えが、
典型的に怒りを増幅する考えに当てはまると思われます。
でも、どうしてあなたは、そう考えるようになったのでしょうか?
いつものあなたなら、もう少し心の余裕があるのに
我慢ならない一言や、許せない行動があって、
それらがスイッチになっているかもしれません。
そのスイッチは多くの場合、目の前の出来事ではなく、
昔々の理不尽な出来事が起源であることが多いのです。
怒りの素を分析し、カウンセリングで根本的に癒す
人間は、理不尽だったり、怖かったり、ひどく傷つく体験があると
「もうあんな思いをするのはごめんだ」 と自分の心を防衛するために、
闘争・逃走・凍結反応を生み出します。
これは別の記事で解説していきますが、トラウマに対する反応です。
これらのうちの闘争反応が、爆発的な怒りの反応となるでしょう。
やられる前にやっつけろ!です。
この闘争反応は、今日では役立っていないことがほとんどです。
それでも、 今日も闘争反応を続けてしまう程、あなたにとって辛い体験 だったのです。
例えば
どんなに頑張ってもほめられることはなかった。
弟は簡単に褒められていたのに。
私はできて当たり前な扱いをされていた。
のんびり過ごしている弟が許せなかった。
でも、一切文句を言わず、いい子であり続けた。
いい子でなくなったら、私には何も残らないから。
このようなエピソードを、カウンセリングでたどっていくと、
あなたが本当は何に怒っていたのか、何を許せなかったのか
が、次第に明らかになっていきます。
今回の事例でいえば、
「どうして私だけ頑張らなければならないの?」
「なぜあなたは努力無しに許されるの?」
というかつての怒りが、
今日の「やるべきことをやらないで私に頑張らせるマネージャーを許せない」の
背景にあることがよく理解されると思います。
このように、安全に見守る人(カウンセラー)との間で過去を振り返り、
感情をもう一度吐き出す、 このプロセスが怒りの根本的な治療になります。
このプロセスを経ることで、怒りが少しずつましにいくことでしょう。
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