生きづらいと感じる時に読んでほしい、原因と対処方法

こころの健康

こんにちは。矢田の丘相談室の田中です。プロフィールはこちら

当相談室のブログでは、
「生きづらさ」を一貫して取り上げていると思いますが
生きづらさ、生きにくさとは、何でしょうか。

今日はそう感じる原因と、対処方法をお伝えしていきたいと思います。

悩みの多くは、経済的な困難と、人間関係のつらさ

カウンセリングルームで寄せられる悩み、生きづらさの内容は、
多くは、経済的な悩みか、人間関係の悩みです。

経済的な悩みも、
会社での人間関係がうまくいかなくて、
仕事を続けられない、

といったような悩みになると、
やはり人間関係が深く関係しています。

また、依存症のような相談が寄せられることもありますが、
依存症は突き詰めれば「孤独の病」で
人間関係の病です(参照 ギャンブル障がいのブログ

また、やる気が出ない、生きる希望が湧かない、と言うご相談も
元を辿っていくと
人間関係で酷い目にあった、
孤独で誰とも関わりたくない、
と言ったことが背景にあることが
多くあると思います。

このように考えると、悩みの多くは、
人間関係がうまくいけば、
相当な部分が解消される可能性がある
言えると思います。

人間関係がうまくいく、心の基礎とは

このように、
人間関係がうまくいくとしたら、
生きるのがだいぶ楽になりそうですよね。

それでは、人間関係がうまくいくには、
どうしたら良いのでしょうか。

心理療法の観点から考えると、
人間関係がうまくいくには、
「人間を基本的に信頼できるイメージ」を持っていること、が
重要です。

「人間を基本的に信頼できるイメージ」とは、
基本的には
世の中の人間は良い人たちで、
人生は嫌な事もあるけど、
基本的には世界を信頼できる、
といったような
世の中に対する良いイメージのことです。

例えば
グループや集団で遊ぶこと、
飲み会のような集まりが楽しい、と感じられること、
「良いエネルギーの交流」がそこに感じられること、


こんな感じでしょうか。

このようなイメージは、
人生の早い時期に
世の中をどのように認知しているか
が大きく影響します。

人生の早い時期の世の中、とは
あなたが育った環境、
特にあなたを養育した人との間で、
どのようなイメージが形成されるかが
大きい
と思います。

といっても、
育った環境が完璧である必要はありません!
悪い体験のイメージよりも、良い体験のイメージが
少しでも上回っていれば良いのです。

そうすると「世の中は信じるに足りる」と言うイメージ
基本的な信頼感(心の基礎)
幼少期に形成できると考えられます。

辛い体験が多く、世の中への信頼感が形成できなかった人がいる

とは言ってもうまくいかないこともあると思います。

おうちの中に暴力があったり、

やむを得ない事情で貧困であったり

いじめや、ハラスメント
といったような

過酷な体験があることも

ある
と思います。

特に、家庭内での暴力や貧困は
世代間連鎖を起こしやすく、
誰かを責めたくても、責めにくい、
難しい問題
です。

このような過酷な体験があった場合には、

世の中をなかなか信頼することができず、

学校集団や会社での集団の中で

孤独感や孤立感を感じて


生きづらくなるかもしれません。

このような辛い体験が原因の

生きづらさ
に対しては、

カウンセリングのような安全の安全な場で、

「世の中は信用に足る」と言う

(二者関係)体験をやり直す作業が


最適だと思われます。

信頼できる友人や、居場所がいる人は、

そこでもいいかもしれません。

でも、それが難しいから人間関係で悩んでいるのですから

心理療法(カウンセリングで、イメージの構築をやり直すこと)によって

「世の中は信用できない」と言う生きづらさを

少しずつ変えていく
方法が

良いと思われます。

生きづらさを抱える人にとっては、

誰かを頼ること自体が難しいと

思われる
からです。

生きづらさの半分くらいは、体質のようなもの


生きづらさを、構成する要因は他にもあります。

データで何%とは言いがたいのですが、
半分ぐらいは体質のようなものも
あると思います。

体質のようなものの代表的なもので、
近年社会に認知されてきたものの1つに、
神経発達症(発達障がい)傾向があるでしょう。

神経発達症とは簡単に言うと、
能力の凸凹のようなものです。

この凸凹の差が大きいと、
生きづらさの要因になりやすい

考えられます。

社会は数が多い心理的性質の人(いわゆる定型発達の人)に
合わせて作られているので、
凸凹が大きい人は、
自分に合った生活スタイルややり方を
オーダーメイドで構築しなければいけない。


メジャーな心理的性質の人たちと
考え方ややり方、
いろいろなタイミングが合わなくて苦労する。

このような体験を繰り返すことで、
二次的に、ストレスに敏感な心理的性質を持つ人も
多くいる
と考えられます。

このような場合には、

ご自身の心理的性質に合った生活を
心理の専門家と構築していく方法が
有効
だと思われます。

神経発達症以外にも、ストレスに敏感な傾向なども
体質なようなものの1つでしょう。
人間関係において自分を責めたり
人からも責められている、と感じやすく
気楽に過ごすことが難しいために、
ストレスが溜まりやすい傾向が強いことが特徴です。

ご家族やご親類を見渡したときに、
精神病傾向がある人や、
大量に飲酒する人などがいたら、
もしかしたら、ストレスに過敏な傾向の方かもしれません。

生きづらさは、昇華されることがある

このように、多様な要因で構成される生きづらさですが、
悪いことばかりではありません。

ストレスに敏感で、人の顔色に敏感で、気持ちが繊細であることを
昇華させている人たちがいます。

もちろん、全員がそうだとは言えませんが
対人ストレスに敏感であると言う事は、
人の気持ちの痛みや傷つきを敏感に感じ取れる
と言うことです。

このような性質を活かして、
例えば看護師などの対人援助職についていたり
サービス業について、人々を笑顔にさせていたりする
ことがあるでしょう。

また、このような人たちは
「精神内界の地図を普段から感じやすい」
とでも言うべき性質があると思われ、
それを活かして、
芸術家などの表現者になる人も多くおられる、と考えられます。

これは私の臨床的な実感で科学的な話ではありませんが、
神経発達症傾向がある方の中にも、
たとえば衝動性を活かして起業する方がいたり、
(偏った)集中力を活かして研究者になられたりする方が
結構な数でいらっしゃるように感じています。

メジャーな心理的性質でない、と言うことを
活かしておられる
のです。

このように、
ご自身の心理的性質に合った生活を構築することが、
生きやすさには重要
だと言えると考えられます。

生きづらさはが苦しい時には

もちろん、全員が生きづらさを昇華させて、
自分らしく生きているとは限りません。

きっと苦しんでいる人の方が
たくさんいることでしょう。

生きづらさに苦しんでいる時に必要なことは、
信頼できる誰かと生きづらさを見つめ、
辛さに共感するプロセスを経て、
傷つきを癒す
ことだと思います。

また、神経発達症傾向などで苦しい時には、
ご自身の心理的性質に合った生活を構築するための、
心理専門家との相談も役立つでしょう。

当相談室でもそのお手伝いができると思います。

ご予約はこちらから。


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