こんにちは。矢田の丘相談室カウンセラーの田中です。プロフィールはこちら。
会社の同僚やパートナーに対してイラッとしたときに、
無視をしたり、不機嫌な表情をしてしまったり、
カッとなってつい余計な一言を言ってしまって、
人間関係を悪化させてしまった…
といったようなことはありませんか。
怒りをぶつけた自分のことも嫌になって、たいてい後悔するなど、
怒りのコントロールがうまくいかないと、自分も傷付いて落ち込みますよね。
ついついカッとなって後悔する
マネージャーが、私に同じことを何度も言わせて、イライラしている。
私にメールするだけじゃなくて、業務用のチャットにも投稿してくださいね、と何度言っても投稿しない。
チャットに投稿しないと、みんなに情報共有できないって言うことを何度言えばわかるんだ。
この人はホントに何をやらせても、みんなのことを考えて行動できない人だ。
この人のせいでいつも手間が増えるんだよな…!
メール画面を見つめていると、どんどんイライラしてきてしまい
「だから昨日も言いましたよね⁈」とマネージャーに怒鳴ってしまった。
フロアの空気が凍り付いて、しまった!またやってしまった…と後悔した。
アンガーマネジメントとは
最近ではアンガー(怒り)マネジメントという言葉も普及してきて、
さまざまなテクニックがインターネットや書籍などで手軽に見られるようになりました。
アンガーマネジメントは、
ソリューションフォーカストアプローチや認知行動療法、トラウマ処理など、
さまざまな心理療法の技法が組み合わさってできている、
怒りにくい自分を構築するテクニックです。
以下にその技法を列挙してみます。
- アンガーログ
その場で怒りを記録。
文字を書くことで左脳(思考)を使い、右脳(感情)の混乱から逃れる。 - ストップシンキング(思考停止法)
カウントバック(引き算カウントダウン)など。
計算することで左脳(思考)を使い、右脳(感情)の混乱から逃れる。 - コーピングマントラ
「これはいつまでもは続かない」「相手にもきっと事情があるんだ」など、
呪文のように唱える。 - グラウンディング(一種のマインドフルネス)
目の前のものなどを、ありのままに客観的に観察し、言語化する。
例「畳の目が私の目の前に横に走っている。5センチ間隔だ」 - タイムアウト
「このまま話し合うのは難しいと思ったので、10分ほど外の空気を吸ってきます」などと
爽やかに立ち去る(タイムアウトする)ことを伝えて、
その場を立ち去る。
これらはやり方が構造化されている(決まっている)ため、
多くの人が安全に実行しやすく、非常に有効です。
一方で、このような表面的な方法だけでは
十分な効果が得られない場合があると思います。
なぜなら、怒りは過去の傷つき体験が「ブースター」となっている場合が多いからです。
これをコアビリーフといいます。
根本的にアンガーマネジメントを行うには、
コアビリーフをカウンセリングで癒すことが、非常に有効だとおもわれます。
コアビリーフと怒りの引き金は、あなたの人生に由来している
アンガーマネジメントを根本的に行っていくには、
コアビリーフ(怒りを増幅させる、自分が正しいという思い込み)と、
怒りの引き金(怒りを焚き付ける、考え方の癖≒スキーマ)を修正することで、
怒りにくい習慣を形成する必要があります。
上記の例で言えば、
「この人はいつもできない、この人のせいでいつも私の手間が増える」
といったマネージャーに対するレッテル貼りは怒りの引き金に相当するでしょう。
ほかにも
・尊重されていない。どうでもいいと思われている。
・ありがとうがない。やって当然だと思われている。
・誰も認めてくれない。
・私だけ割をくっている。
このような考えが、典型的に怒りを増幅する、
コアビリーフ(怒りを増幅する思い込み)に当てはまると思われます。
でも、どうしてあなたは、そう考えるようになったのでしょうか?
コアビリーフは、トラウマ起源の闘争反応
いつものあなたなら、もう少し心の余裕があるのに
我慢ならない一言や、許せない行動があって、
それらがスイッチになっているかもしれません。
そのスイッチは多くの場合、目の前の出来事ではなく、
昔々の理不尽な出来事が起源であることが多いのです。
人間は、理不尽だったり、怖かったり、ひどく傷つく体験があると
「もうあんな思いをするのはごめんだ」 と自分の心を防衛するために、
闘争・逃走・凍結反応を生み出します。
これは、トラウマに対する防御反応です。
これらのうちの闘争反応が、爆発的な怒りの引き金になっているのです。
やられる前にやっつけろ!です。
でも、この闘争反応は、今日では役立っていないことがほとんどなのです。
それでも、 今日も闘争反応を続けてしまう程、あなたにとって辛い体験 だったのです。
例えば
どんなに頑張ってもほめられることはなかった。
弟は簡単に褒められていたのに。
私はできて当たり前な扱いをされていた。
のんびり過ごしている弟が許せなかった。
でも、一切文句を言わず、いい子であり続けた。
いい子でなくなったら、私には何も残らないから。
「どうして私だけ頑張らなければならないの?」(親に対しての怒り)
「なぜあなたは努力無しに許されるの?」(弟に対しての怒り)
というかつての怒りが、
今日の「やるべきことをやらないで私に頑張らせるマネージャーを許せない」の
背景にあることがよく理解されると思います。
カウンセリングで闘争反応を癒すことで、アンガーマネジメントできる
このような背景がある場合には、
安全に見守る人(カウンセラー)との間で過去を振り返り、
怒りをもう一度吐き出す、 このプロセスが
根本的なアンガーマネジメントにつながります。
「私だって、無邪気に子供らしく暮らしたかった」
「きちんとしていなくたって、許して欲しかった」
このように、かつてのあなたの気持ちを救い出し、
本当は何に怒っていたのか、
振り返るプロセスを経ることで、
怒りが少しずつましにいくことでしょう。
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