「夫がゲームに夢中で、家のこと何もしない!」孤立や怒りを感じているあなたに、ゲーム依存への対応

依存症

こんにちは。矢田の丘相談室の田中です。プロフィールはこちら

あなたの親しい人、例えば配偶者が

家事もしないでゲームばかりしていると

とても困りますよね。

困るだけではなく

どうして私がこんなことしなければならないんだろう?と怒りを感じたり、

孤独を感じたりすると思います。

このようなゲーム依存のような状態は

どうして起こるのでしょうか?

寝る時間を削ってゲームする夫

夫がゲーム依存のように思います。

家事は育児を交代制でしようと言う取り決めをしているのですが、

家に帰ってくると少しだけ家事をやって

寝る時間以降、朝までゲームをしてしまい、

翌日起きてやるはずの家事や育児の分担をこなすことができません。

起きるはずの時間に起きてこないので、子どもに起こされたり、

昼頃まで寝ていて、私がキレてやっと起きてくると言う具合です。

そんな時間があるなら、子どもと過ごしてほしいし、

私の相談にも乗って欲しいと思うのです。

私1人で家のことをやっているような気分になってきて

孤独を感じます。

携帯電話を取り上げようとすると、すごい形相でこちらを睨んできます。

最近ではゲームの話をするとキレるようになって来ました。

何度もゲームをやめて欲しい、治療を受けてほしいと言っていますが、

その都度「いつでも止められるから治療の必要はない」

とごまかされてしまい状況は変わりません。

これから子どもの成長のこともあるし、心配なことがたくさんある中で

家のことを私1人で考えてるようで

あまりにも自分勝手な夫に怒りが湧いてきます。

もう離婚するしかないのでしょうか

なぜ「ゲーム」が止められなくなるのか

例えばアルコールや覚せい剤のようなものは

大変強い効果がある薬物ですので

止められなくなると言うのは、

なんとなく理解できる感じがしますよね。

これら物質を使う依存症をまとめて「物質嗜癖」といいます。

一方で、ゲームやギャンブル、買い物といった、

薬物を使わない依存症のことを「行動嗜癖」といいます。

行動嗜癖は、アルコールとよく似た依存症ではないか?とは予測されてはきたのですが

ここ10数年で脳科学が進歩して

どうしてゲームが止められないのかということがだいぶわかってきました。

脳内報酬系の変化がゲーム依存の正体

人間を始めとした動物の脳には、

快楽を司る報酬系と言う部位が存在します。

心地よいと感じると、特定の脳内物質が放出されて、

「その行動を繰り返しなさい」

と言う命令を出すのです。

これは人類が生き残るのに非常に重要な機能でした。

金銭的な報酬を得たり、何か課題を達成したり、

といった社会的な報酬から、

食欲や性欲を満たすようなもう少しプリミティブな欲求まで、

生存に役に立つ行動を達成すると快感を感じるように

プログラムされているのです。

快感を感じる事≒生存に役に立つことを、

繰り返し行うように、人間の脳は設定されています。

長時間のゲームにより、脳内報酬系のブレーキが壊れる

ところがこの脳内報酬系には、

通常では起こり得ないような長期大量の快感にさらされると、

望ましくない変化が起こってくることがわかってきました。

例えばスマホやインターネット、テレビゲームのようなものは

長い長い生物の歴史の中でここ2 、30年で急速に発達したものです。

こういった新しいものに、脳内報酬系は対応するのがへたくそなのです。

したがって、長期間長時間ゲームをやり続けると

脳内報酬系は

それまでは心地よいと感じていたことに
反応しなくなってしまうのです。

これを報酬欠乏症といいます。

報酬欠乏症とは

報酬欠乏症では、

ゲームをやり続けている時間に、あまりにも、大量の快楽物質に脳がさらされた結果

以前であれば、嬉しさや喜びを感じていたような

家族や友人との語らいや

仕事のやりがいなど、

日常の出来事に
心地よさを感じられなくなり

次第に、ゲームをやっていない時間がたまらなく退屈になる
、と言う

脳の感じ方の変化が起きてしまいます

どこまでゲームをやっても満足がやってこないと言う症状が発生するのです。

家族とのお出かけや、老後のための資金計画など、

他のどんなことよりもゲームが大事になってしまうのです。

これは本人の意思ではなく、

脳の快楽を感じる部分のブレーキが壊れてしまった結果です。

一方で、これからゲームをするぞ、といったような

ゲームを予感させるような刺激にだけ強く反応するなど、

極めて狭い範囲にしか興味を示さなくなるのです。

したがって以前やっていた、趣味のようなものが消えてしまいます。

すると、さらに長時間ゲームする結果になり、

依存は進行します。

進行の結果、ゲームをしてもそれほど興奮しなくなって

ゲームを止めると不快な反応が出現する、

ゲームをやっても気持ちよくないのに、止められない、


と言う症状に至るのです。

これがゲームを止められないゲーム依存のメカニズムです。

衝動性が高い人がハマりやすい

このゲーム依存症は、衝動性が高い人、

例えばADHD傾向がある人が

よりはまりやすいことが研究によりわかっています。

認知行動療法が有効

このような報酬欠乏症を伴うゲーム障害には、

依存症認知行動療法が非常に有効であることがわかっています。

依存症認知行動療法によって多少でもゲーミング以外の時間に時間を使えるようになると、

次第に報酬欠乏症の症状は和らいでいきます。

依存症認知行動療法は、
ゲーミングの直前状況と、本人にとってゲーミングが何の役に立っていたのか(心理的報酬)など、
行動分析を行ってゲーミングの時間を減少させる方法です。

あなたの家族やあなた自身がゲーミングによってもしお困りであれば

ぜひ当相談室でのご相談をご検討ください。

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