「他人を怒らせちゃったかな」と気に病む時は、心理的境界線が弱っている

こころの健康

こんにちは。矢田の丘相談室の田中です。プロフィールはこちら

心の健康を測るバロメーターの1つに心理的境界線と言う概念があります。

心理的境界線は言い換えると、心の壁の厚さと言ってもいいと思います。

「私とあなたは違っていても大丈夫」と思えることが健康


心の壁といっても、他人を拒絶するといったような壁の話ではありません。

心理学的には、心には、
「自分を守る壁」があると考えます。

例えば、昨日の私と、今日の私、明日の私はずっと同じ人、
これは私を守る壁だといえます。
これを自己同一性といいます。

ショックなことが起きて、記憶がなくなった、
これは滅多に起こらないけれど、
そういうことはあるとよく知られていますよね。

これは自己同一性が一部損なわれていると考えられます。
つまり、自分の一部がなくなるくらいに
心が衝撃を受けたわけですね。

このように、心の壁は、心の健康のバロメーターと言っても良いでしょう。
他の人にも私と同じように自分を守る壁があるから、

「私とあなたは違う人である」

これが健康だということですね。
あなたと私の考え方や価値観が違っていてもオーケー。

そんなの当たり前でしょ、と思われるかもしれません。

でも、あなたと私が違うことを許せなかったり、

人の感情が心に流れ込んで辛かったり、ということは

それほど珍しくなく起こっている
のです。

この自己同一性は、人間関係の心理的境界線・バウンダリーの問題や、

心の健康と密接に関係があるのです。

ストレスで心のバリア機能が低下する


心の健康度が下がってくるどうなるでしょうか。

職場の人間関係がストレスだ。
最近忙しすぎて休んでいない。
家族との関係がギスギスしている。
いろんなものが物価上がったのに、給料が増えなくて、経済的にこの先心配だ。


心にかかるストレスはいろいろですよね。

これらストレスがかかった時に
「疲れているから少し休もう」
と考えられればまだ健康を保っていると言えるでしょう。

なぜなら、私がどのような状態にあるか、
客観的に見る力(自我の力)が残っているからです。

しかし、本当に疲れ切ってる際に人間は、
自分が疲れていると言うことを自覚することができなくなり、
その代わりに、健康度が下がったバロメーターが現れるのです。
その1つが心の壁が薄く(バリア機能が弱くなる)なる、です。

バリア機能が弱るとどうなるか?


心のバリア機能が弱るとどうなるのでしょうか。

人の顔色が気になりすぎる。
元気な時には気にならないのに、
私がしくじったアレが怒らせちゃったかな。
などといつまでも頭から離れない。

これは人の心が流れ込んでくる、バリア機能の障害ですね。

あの人の趣味はくだらない、
と他人の価値観なのに批判する人。

私の意見の方が正しい、あなたの考え方は間違っている、と
信じて疑わず、我を通す人。

これらは、自分と他人が違うことが許せない、という
自分の価値観などが他人に侵入する(バリアを超えて外に漏れ出てしまう)、
境界線侵害のパターンですね。

このように、心のバリア機能の状態は、
こころの健康度を見分けるバロメーターと言って良いでしょう。

こういう人を見かけたら、
「あぁストレスがかかってるんだろうなぁ」
と推測することができます。

また、自分が調子が悪いときには、
「本当はこんなこと言いたくなかったのにな」
ということを言って、周囲の人を困らせることって
一度や二度は心当たりがあると思います。

このように、自分に適用して振り返ると
メンタルヘルスを保つ武器になるのです。

目安にして、日常的にセルフケアを

この記事を読んで、もし自分が疲れていると気づいたなら、

おいしいものを食べる、とか、

少し休んでみる、といった対策を取ったり、

安全なカウンセリングの場で
疲れた気持ちを吐き出してみるのはいかがでしょう。

日常的にケアすることで
メンタルヘルスを保つことが簡単になると思います。

ご予約はこちら。

タイトルとURLをコピーしました