こんにちは。矢田の丘相談室カウンセラーの田中です。プロフィールはこちら。
現場の苦労を知らずに、あれこれ決定してしまう上司だと
やることなすこと納得できないので、
「どうしてそんなことするの?」と
言いたくなりますよね。
どうして⁈と問いただしたい!
私は食品関係の会社に勤めています。
お客様センターの対応品質を向上するためのチームにいるのですが、
対応を受けたお客様からのアンケートを
普段から集計しており
その中であまり満足されていないお客様の
オペレータ対応の様子を振り返ることで、
実際のオペレーター現場にフィードバックをして
接客品質を向上してもらう、
と言うことを日々行っています。
でも、この4月に異動でやってきた課長が
今までのやり方を突然ひっくり返してしまって…
「満足されているお客様の様子も振り返ったほうがいいんじゃないか」
と言い出しました。
でも満足しているお客様は、例えば
代替品をすぐ送ってくれたとか、
無料でやってくれたとか、
オペレータ対応品質が良いから満足している、と言うよりも
思った通りのサービスを受けられたから満足していることがほとんど、
であることが、経験上わかっているんです。
もちろん不満を持ってるお客様にも同じことが言えるのですが、
ご不満なお客様の中にはやはり
電話のオペレーターの対応がまずいものが含まれていて、
そちらをピックアップした方が
対応品質は良くなると考えられ、
長年うちの部署はそうしてきました。
良い対応までチェックしようとすると、
業務量が激増してしまう、と言うこともあります。
どうして意味がなく、現場の負担が増えるやり方を押し付けるんだろう?
どうして今までうまくいっていたやり方を
急に変えようとするんだろう?
そうストレートには言えないので
「どうして良い対応までチェックするんですか?あまり意味がないと思うんですが…」
と進言しましたが、決定が覆る事はありませんでした。
また残業が増えてしまいます。うんざりです。
「どうして」と言いたいときは「私は不満です」と言いたい時
今までうまくいってたやり方を
急に変えられてしまったり、
それは散々現場ではもう繰り返されてきたことで無意味、
とわかっていることを押しつけられたりすると
本当にイライラしてしまいますよね。
こういう時に
『どうしてそんなことするんですか⁈』
とどうしても口をついて出てきてしまうものです。
しかし「どうして?」で始まる質問は、
コミュニケーションであなたに不利に働くことが多いです。
なぜかというと、
「どうして?」で始める質問は、
理由が聞きたいのではなく、不満を表明したいことが真意、
であることがほとんどだからです。
不満であることを伝えたいのに、
理由を聞く形になっているので、
コミュニケーションがねじれているために、
言いたい事は伝わらないし、
新たな不仲の原因にもなってしまうのです。
ですので、「どうして」と口に出そうになったら
言い換えるのが吉です。
伝える順番が大切
こういったイライラする相手に何かを伝えたい時、
伝える順番がとても大切です。
まず
①最初に相手のポジティブなところに触れた後で、
②次にこちらの要求を率直に伝える
この順番の方が
相手の耳に入りやすくなります。なぜなら、
相手は反論される事は重々承知しているので、
耳の穴が閉じているような状態なのです。
そこで、最初に相手の主張を認めてあげると、
少し耳の穴が開くわけです。
この事例で言えば、課長の主張していることを
ポジティブに解釈して、
①ポジティブなこともフィードバックして、
オペレーターのモチベーション上げようということですね。
この点に触れておくと、良いでしょう。
ポジティブなポイントに触れると、
相手がやろうとしていることに共感を示すことになるので、
こちらの主張を聞いてもらいやすくなります。
相手の主張のポジティブな点に触れた後は
こちらの言いたいことをアイメッセージ(私を主語にして)で伝えましょう。
この事例では、社員の作業時間が(無意味に)大幅に増えてしまう
ということが問題になっていそうなので
②その作業を実行すると、(私は)作業時間がかなり増えると思いますが、
よろしいですか?
(アイメッセージで、管理職の責任の所在を明らかにする質問)
この事例の主人公は、
自分たちの作業が増えることも知らないで無責任だ!
と言うことに腹が立っていると思いますから、
「作業が増えた場合の責任は課長が取るんですよね」
(これは心の中で言うことで、こういう言い方しちゃダメですよ)と
明らかにすることで、怒りを溜め込まず、
イライラを抑えられるわけです。
このように、責任の所在をはっきりさせる質問を
2番目に持ってくると良いでしょう。
これで課長が承認すれば、この後は
『これはもう課長が判断したことだ』
と心理的境界線をひいた方が
メンタルヘルス的には良いのです。
『私の問題ではない』と呪文のように心で唱えましょう。
他にも別の方法を提案すると言うやり方もあるでしょう。
②´高評価のやり取りを全て抽出しようとすると、時間がかかってしまうので、
ざっくりとしたデータを示すことで、オペレーターさんを労うのはいかがでしょうか?
そして、問題があった対応をフィードバックしていくと言うのはいかがですか?
(課長の意図を汲んで、別のアイディアを示す、アイメッセージで伝える)
こういった関係性があまり良くない人とは
どうしても話し合いが欠如しがちです。
話し合いに持ち込むことで
「理解されない!
一方的に私だけが我慢している!」
と言う状態から抜け出すことができて
怒りをため込まずに済みます。
言いたいことを爽やかに伝えることで
恨みや怒りを溜め込まずに、
良い関係を維持できます。
爽やかに言えない時は「口チャック」
もし、こういった爽やかな言い方ができない場合は
(関係性がすでにこじれていて、とても言えないなど)
「なんで」「どうして」と口に出しそうになったら口チャック
でもOKです。
このブログのやり方を脳内で反芻していると
そのうち言える日がやってくると思います。
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