こんにちは。矢田の丘相談室カウンセラーの田中剛です。プロフィールはこちら。
これは私の臨床経験から言える事ですが、
特にギャンブル障害においては、
頼まれたら断れない、言い方が強い人が苦手、
家や会社に居場所がなくてギャンブル場が避難場所になっているなど、
『自分を表現することの苦手さ』が、
一つの典型的な原因になっていることが多いです。
強く言われると断れない
もともと強い言い方をされるのは苦手だ。
頼まれると断らないから、いい人だと周りからは思われている。
でも、いい人でい続けるのにもほとほと疲れている。
家事も頑張ってる。保育園への送り迎えも手伝ってる。
頑張ってもねぎらわれる事はほとんどない。
やって当たり前だと言う顔をされてしまう。
実家は少し複雑な家だった。
父がパチンコで借金ばかり、父と母はいつも喧嘩をしていた。
だから私は言い争いが嫌いだ。
ギャンブルだってあんなに嫌いだったはずだったのに。
社会人になったら、習慣的にパチンコに行くようになっていた。
パチンコ台の前に座るとホッとする。
スマホで競馬情報見ているときには、ごちゃごちゃ考えずに済む。
人間関係に疲れていたのかも。
今の妻にはギャンブルをしている事は知られていない。
子どもが生まれるまではうまくいっていた。
でも子どもが生まれてから、妻はきつい言い方をするようになり、
私は言い争う気にはなれず、
黙ってギャンブルに逃げるようになった。
絶対にばれることはできないから、借金に借金を重ねている…
どんどん借金が膨らんで、誰にも相談できなくなっていく。
もうやめなきゃ、と思うのにまたスマホを開いてしまう。
何故また繰り返した?と自分を責め続けている。
依存症には他に代えがたいメリットがある
もうやめなきゃ、と思っているのに、
またやってしまうの繰り返し。
誰にも言うことができない状態。
とても辛いですよね。
依存症には他に替えがたいメリットがご本人にあります。
このブログの例の場合、
「もう言い争いはごめんだ」
「きつい言い方をする人が苦手だ」となるだけの、
心の傷(育った家族でのいさかいや経済的な苦労、学校での酷いいじめなど)が先にあって、
再び酷い目に遭うのを避けるためにいい人を演じ続けて、
ギャンブルしてる時だけは何も考えずにリラックスできる、
だからギャンブルが他に変えがたいメリットになってしまっています。
次第にデメリットが大きくなってきているのに、
それでも止めることができなくなっていく、
この状態を「報酬欠乏症」といいます。
ギャンブルをやっていない時間に耐えられないような、脳の変化が起きるのです。
これは誰の脳にも起こりえます。
一人で抱え込まないことで、ギャンブリングを減らす
奥さんや上司など身近な人から、
強い口調で責められると、
何も言えずに1人で抱え込んでいませんか?
そして唯一の息抜きがいつの間にかギャンブルになっていませんか?
もし心当たりがあるなら、ギャンブルにはまってしまうには、
それ相応の理由がちゃんとあります。
このブログのパターンであれば、強く言われるのが苦手になるだけの理由が
ちゃんとありますよね。
かつてのこころの傷を解きほぐすことで、
人間関係が楽になり、ギャンブリングの改善が可能なのです。
依存症の栄養は孤独・孤立です。
抱え込まずに、一か所でもいいから正直に吐き出せる場所を作ることが
依存症への対抗手段なのです。
そして、次第に報酬欠乏症からも回復することが可能です。
まずは、1カ所でもいいから、安全に話せる場所をまず作りませんか。
ギャンブルだけを止めようとしても、
なかなかギャンブルは止まらないものです。
正直に安心して話せる場所を作ることが
ギャンブル治療のスタートラインです。
あなたに合った方法を一緒に考えさせていただきます。
ぜひ、誰にも責められることのない環境で、お話をお聞かせください。
ご相談・ご予約はこちら。
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